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2020.12.01

[イベント] 【成果報告】オンラインシンポジウム 『New Normalでの教育の実情と課題、VR教育を含む今後の展望について考えるワークショップ』

2020年10月28日(水)10:30~12:00に
諸研究科が抱える教育実習の現状と課題を共有し、これからのウィズコロナ時代に履修効果の高いコンテンツを学生に提供していく方法を研究科横断的に検討するためのコミュニティ形成を目的として、ワークショップを開催いたしました。
教育現場からのお声として、医学教育・国際化推進センターの山本憲先生、医学研究科の近藤祥子先生、平和也先生、鳥井美江先生より、臨床実習で得るべき学びとは何か、そしてそれを学生へ伝える上での困難さ、また、メディア教育技術を用いてどのように補完できうるのか、を考察いただきました。

研究現場からのお声として、工学研究科の椹木哲夫先生、医学部附属病院の山本豪志朗先生より、最先端のご研究内容のうち、教育現場との親和性の高いものをご紹介いただき、教育現場の課題に対して非常に重要なサジェスチョンをいただきました。
椹木先生はお話のなかで「指導者と学習者が引き離され、その間をデジタルでつなぐことを余儀なくされたが故に、デジタルを超えて、意味理解を促すようなものを多用した指導の仕方というものが芽生えてくると考えている。指導者と学習者がいかに時空を超えて共感しあえるか、実感としての現実の様相を現代のテクノロジーでいかに実現できるかが重要である。」と述べられました。また、「視点の計測・デジタル化により、状況認識(シチュエーションアウェアネス)の評価、サポートを行い、パントマイム・比喩表現と言語表現との関係性を作っていくことが、コーチングで非常に重要である。」と説明されました。

山本豪志朗先生は「VRの本質はいかに本物らしさを届けられるか、ということである。人の動作を最小限で届けるところの本質とはなにか。力の可視化などの技術と記号化などを合わせれば非常に強固なものができ、医学への応用も見据えながら面白い発展へと繋げていけるのではないか。」とコメントされました。

これらの研究者視点のお話を受けて、山本憲先生からは、「医師としての学びの中で、態度を習得することが重要であるが、その背後には共感というものが学習者のなかに生じているであろう。VR等メディア教育ツールを用いることで、学習者が共感を見つけ出していく(共感の態度を示す)といった内面教育につなげていくことができるのではないか」とのご指摘がありました。

さらに、近藤祥子先生からは、「助産師教育では指導者が手に手を取りながら、初学者へ一回性の高い状況を伝えており、体験を引き出して言葉として伝える難しさを感じている。力の状態を可視化できると、指導方法に幅を持たせることができると期待できる。また、視覚による情報収集は非常に重要であり、視線の動きを可視化できる技術は、比較的すぐに教育に転嫁できる技術であると思う。」という前向きなご意見をいただきました。

今回はワークショップ発案から1か月強と準備期間が短いなか、講演者の先生方には非常に密度の高いお話をしていただきました。聴講者からも聴講後アンケートなどで活発なご意見・ご感想を賜り、この課題への関心度の高さがうかがえました。

次回は来年1月頃に、学外のアカデミアや企業の方々も含めて、より大きな規模のワークショップを開催する予定です。今回に続き、課題の共有や解決に向けた提案等を講演者の先生方にお話しいただくとともに、教育現場・臨床現場の相談および問題提起に対して、VR,AR,AIを始めとする情報伝達メディアを主軸とした研究現場より技術、知識提供を行い、次世代型医療教育システムの普及を目指す、(仮)インテリジェント医療メディア教育研究拠点(IMERC)の始動に向けた説明もさせていただく予定です。

是非多数の方々のご参加をお願いいたします。

以下のURLよりアクセスし、ご意見等をお寄せください。
https://forms.gle/vAUCdooMqWEg4fmR7

ワークショップの様子は以下のURLよりご覧ください。
https://www.dropbox.com/s/ntfv0lz4nfcjct2/VR%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%94%A8.mp4?dl=0



[本オンラインシンポジウムに関するお問合せ]
「医学領域」産学連携推進機構 事務局
TEL:075-366-7429
Email:application@kumbl.med.kyoto-u.ac.jp
※テレワークで離席している場合もあります。できましたらメールでのお問合せをお願いします。