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2008.04.09

[NEWS] 京大「医学領域」発の創薬系ベンチャー 株式会社 京都コンステラ・テクノロジーズ設立!!

京大「医学領域」発の創薬系ベンチャー
株式会社 京都コンステラ・テクノロジーズ設立!!

京都大学の成果を活用した株式会社京都コンステラ・テクノロジーズ(以下、コンステラ)が3月31日に設立された。コンステラは、「医学領域」産学連携推進機構 インキュベーション・プラザの活動を通して発掘され、その後事業化に向けての種々の支援を受け、「医学領域」からの第2号のベンチャーとしてこの度スタートすることとなった。
コンステラは薬学研究科奥野恭史准教授の研究成果を基に、創薬プロセスにおける化合物スクリーニングの新規手法を世界に先駆けて実用化し、受託解析を中心に製薬企業、バイオベンチャー、化学メーカー、アカデミア研究者への研究開発支援サービスを展開する。

【技術の特徴】
医薬品開発では、疾患原因のタンパク質に結合し作用する活性化合物を発見すること(スクリーニング)が重要なポイントとなっている。薬学研究科奥野准教授は、コンピュータを用いてスクリーニングを行う新規なスクリーニング手法の開発に成功した。本手法は、コンピュータによるパターン認識技術を用いて、タンパク質と化合物との結合情報(ケミカルゲノミクス情報と呼ぶ)から抽出した結合パターンに基づいて活性化合物を効率的に発見するアプローチであり、従来型のインシリコスクリーニング方法を凌駕する性能を示している。ケミカルゲノミクス情報のパターン認識によるインシリコスクリーニング方法を実用化させたのは世界初であり、創薬支援の新たな基盤技術として期待が寄せられている。

【技術の内容と優位点】
従来型の手法(ドッキングシミュレーション法)ではターゲットタンパク質の立体構造が必要で、かつ計算コストが高く、候補化合物に関するシミュレーション結果を出すのに3ヶ月程度かかっていたのに対し、新手法ではタンパク質の立体構造なしで予測が可能であり、さらに計算コストが非常に低く数週間という短期間で結果を出すことができる。また新手法の特徴として、新規骨格の化合物を発見することができるという優位点があり、特に初期の段階でヒット化合物のバリエーションを増やすなどの研究展開に使用できる。

【事業展開】
コンステラの基盤技術は創薬ターゲットタンパク質の大半が抱える「タンパク質の立体構造を決めることが困難」という問題を解消し、計算コストが低いため、中小の製薬企業やバイオベンチャー、アカデミア研究者などが、時間とコストを抑えて研究開発を進めることができる。受託解析サービスおよびフォーカスドライブラリサービスはこれらを顧客ターゲットに展開される。
大手製薬企業では、インハウスで技術利用したいとのニーズが高く、システム導入によるソリューションサービスを予定している。
その他、製薬企業等との共同研究等も積極的に展開していきたい。
プロモーション活動は、国内外の製薬企業・バイオベンチャーと幅広いネットワークを有する住商ファーマインターナショナルなどとの連携により展開。国内での受託解析サービス、共同研究等を開始後、海外への展開も視野に入れる。
開発方針としては、既存手法との融合によりさらに適用拡大を目指し、毒性予測から合成支援までインシリコ技術全体の底上げを実現する研究開発を進める。

【社名の由来】
社名のコンステラ(Constella)は星座の意味を持ち、化合物空間で化合物をマッピングした様子を星座に見立てて命名された。

【事業化までの支援状況】
コンステラの設立に至るまでには、インキュベーション・プラザの支援に加え、NPO法人バイオグリッドセンター関西の「創薬バリューチェイン構想」における研究推進や、大阪府大学発ベンチャー創出事業の助成によるビジネスプラン策定など、各種支援を受け、この度の事業化に至っている。

<株式会社京都コンステラ・テクノロジーズ 会社概要>
 商 号:株式会社京都コンステラ・テクノロジーズ
 設 立:2008年3月31日
 資本金:14百万円
 代表者:村上 竜太
 本社所在地:京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町558番地

 主な株主構成   
   ・奥野恭史
   ・三菱UFJキャピタル2号投資事業有限責任組合
    無限責任組合員 三菱UFJキャピタル株式会社 
   ・住商ファーマインターナショナル株式会社
   ・その他関係者
 業務内容
  1.計算科学技術を用いた受託計算およびそれに関連する物品の販売
  2.創薬支援システムおよびソフトウェアの研究開発、製造および販売
  3.医薬品、診断薬、医薬部外品、化粧品および健康食品等の機能性物質の
    研究開発、製造および販売
  4.計算科学技術に関連する人材育成事業