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機構長挨拶

「医学領域」産学連携推進機構:新しいステージへ

 京都大学大学院医学研究科に所属する研究者は、基礎医学、臨床医学いずれの研究分野においても、疾患に苦しんでおられる方々に福音をもたらすことができることを目指して日夜研究に従事いたしております。そのような努力の積み重ねがあり、医学研究科名誉教授である本庶佑京都大学特別教授が本研究科での基礎研究の過程で見いだされたPD-1タンパク質の研究が新たながん免疫療法の開発に導いた功績で2018年のノーベル生理学・医学賞の授与されたことをはじめとして数多くの優れた研究業績を挙げており、本研究科は卓越した医学研究拠点として世界的に高く評価されております。

 研究成果を広く社会に還元して多くの疾病の診断・治療につなげ、人類の健康と福祉に貢献することも、本研究科の非常に重要な使命の1つです。それを踏まえ、2002年に一般社団法人芝蘭会の協力を得て、医学研究科を中心とする京都大学の「医学領域」から生み出される研究シーズと市場のニーズをマッチングさせ、創薬、診断・治療技術の開発の推進を目指して産学連携推進室を設立しました。さらに、2004年の国立大学法人化を契機として、京都大学産官学連携本部と協調して同推進室を「医学領域」産学連携推進機構へ発展させて参りました。

 「医学領域」産学連携推進機構は「産学連携推進室」と「メディカルイノベーション推進室」「インキュベーション推進室」から構成されております。「産学連携推進室」では、企業と研究者との個別の共同研究・MTA契約・技術移転など、従来からの産学連携業務を幅広く取り扱っております。さらに、大学と企業がequal partnershipにより研究のみならず、教育・人材育成など広範な分野で連携する京大方式の新たな産学連携研究事業も、医学研究科メデイカル・イノベーション・センター(MIC)を拠点として推進しており、「メディカルイノベーション推進室」が、この個別連携の共同研究では対応できない組織対応型の協動研究開発を進めるために活動しております。これらの協働研究は、各々特定の疾患を対象とした創薬開発研究を、文字通り推進するという、従来のものとは異なる全く新しいスタイルの画期的な共同研究です。

 加えて、「インキュベーション推進室」においては、時代の要請に対応すべく、研究成果の実用化、大学発ベンチャー起業を支援する施設であるイノベーションハブ京都のマネージメントを担当しております。イノベーションハブ京都では、実験スペース、研究設備など京都大学の日本トップレベルの研究インフラを活用できるのに加え、支援プログラムなどハード・ソフト両面からの充実したベンチャー起業支援事業を展開しております。

 医学・医療の領域では日本は輸入超過であり、最新の治療薬開発では海外に後れをとっているのが現状です。「医学領域」産学連携推進機構では、京都大学の優れた研究シーズ、研究インフラを生かした産学連携を展開し、日本、京都発の成果を1つでも多く社会に還元することを目指しております。数多くの企業、起業を目指すベンチャー研究者をはじめ関係各位の方々におかれましては、何卒ご協力、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。